神保町で岩波ブックセンターに入ってみた
初めてだ。
岩波の児童書のハードカバーがずらりとそろっているのを見て興奮した。
図書館以外の場所ではなかなか見られない光景だ。


そこで、驚いたことに大好きな児童書が復刊されていた。
「子どもだけの町」子どもだけの町 ヘンリー=ウィンターフェルト作 
昔は学研から出ていたのだが、フェリシモ出版から復刊されたらしい。


大人がいなくなった町で、子供たちが工夫して発電機も動かし、子供たち全員の食事の準備から小さい子の世話までしていく話だ。
ユートピア実験風でもあり、ユーモアもあり、
大人になってから読み返してもとても好きだった。


昔から持っていた黄色い表紙の本は今も手元にあるのだが、
なくなるのがこわくて人に貸すこともできず哀しく思っていたので
大変うれしかった。
ぱらぱらとめくってみたが活字の組み方や挿絵が違うことに違和感はあったが
訳者が同じ大塚勇三で、これもうれしい。


雨に加えて混んだ電車で帰るので購入は控えたがいつかきっと買うだろう。
復刊してくれた出版社へのエールも込めて。


数年前に、やはり幼い頃好きだった絵本「カロリーヌと仲間達シリーズ」が復刊されて驚いたことがある。
自分と同世代の本好きだった子供たちが大人になって編集者になっているのかと
想像している。
しかし一方でそれらがいわゆる老舗の出版社ではないことが気になる。
老舗の出版社では若手(?)が勝手なことはできないのかな などとまさに勝手なことを想像しているが、どうだろう。
ヘンリー=ウィンターフェルトはファンタジーとも言い難い不思議な話を書く人だったが、今はそのほとんどが絶版になっている。
彼の本に限らず学研では良書がたくさんあったが絶版になっている物が多く、
まれに他の出版社で復刊されているのを見かける。
読み手としてはうれしいことだ。


知人Pは「本はあったら買っておいた方が良い。すぐになくなるから」
といっていた。あながち嘘ではないと思う。(ただ置き場所がないからかわないだけで)
さて、「子どもだけの町」今度は生き残ることができるだろうか・・・・。